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「施設の人間に金を渡して、僕を奴隷として引き取ったんだ」
表面上では笑っている夜深も、心の中では泣いているのだろう。
「そして、日毎に君を恨む理不尽な感情は大きくなった」
「でもね。ある日、気づかされたんだ…。施設の職員が逮捕されたのを知って、何気なく立ち寄ってみた時にね」
そして夜深は、何処からか数枚の手紙を取り出した。
「それは…」
見覚えのある物に、智久は小さく声を出した。
「そう…。君からの手紙だよ」
「職員が隠していた手紙。きっと君へは、僕が引き取られた事を隠していたんだろうね」
確かに知らなかった智久は素直に頷いた。
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