第四章「神隠し」

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「ええ、瞬間視力とも言いますか…」 「何なの?それ…」 二人がやりとりをする中、智久は相変わらずペラペラと読み進めていく。 「見た物を瞬時に記憶する能力とでも言いますか…。普通、人間は見た物を記憶しても、その一部しか引き出す事が出来ないんです」 何度か頷くリリー。 「しかし、彼は記憶した物を全て引き出せるんですよ」 リリーは信じられないといった表情をした。 「信じられない様ですね。…では」 「永宮くん。九人目の行方不明者の名前と、日時は解りますか?」 丁度資料を読み終えた智久は、意図も簡単に答える。 「神田早苗。日時は十一月四日、15時前後が最後の目撃情報ですね」 慌ててリリーも資料を開いて確認した。 「…当たってる」 一同は驚きを隠せなかった。
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