第四章「神隠し」

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「まあ、ブラックジャックでカウントを出来るくらいですしね…」 戸塚は苦笑いを浮かべた。 「確かに…」 「相変わらずですね」 隣に座る裕也も、久しぶりに見た智久の実力に感心している。 「それだけじゃ、何の意味も無いけどな」 自嘲するように言う智久。 親友達を助けられなかったのを、相当悔やんでいるようだ。 「…さて。次に行方不明者達の共通点です」 戸塚がそう言うと、大きなホワイトボードが運ばれてくる。 「…それは、ある廃村です」 智久達に背を向け、何やら書き始めた。 「方法は様々ですが、皆一様に手掛かりを残しています」 五十人程の名前を素早く書き終え、手をはたきながら振り向く戸塚。 「失踪する直前、誰かしらに、この廃村を訪れる事を告げているんですよ」 それは興味深い共通点だった。
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