第四章「神隠し」

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「…つまり。その廃村が、この事件の鍵ってわけですね?」 その問いに、戸塚は黙って頷く。 一通り、事件性を理解した智久だったが、一つだけ気になる事があった。 「夜深…。いえ、大島大悟の陰が見えないのですが…」 顔をしかめて言い放つ智久。 その顔は、憎しみや恨み。全ての負の感情が取り巻いている様に感じられる。 「…これを見てくれますか?」 戸塚は一通の封筒を取り出した。 宛名には、智久の名前が書かれている。 「…………」 それは間違いなく、夜深からの物だった。 『久しぶりだね。今頃、君は何処にいるんだろうか。 今は解らないから、この手紙は公安の連中に渡しておいたよ。 でも君は、僕から逃れられない。 ……いや、逃げてはいけないんだ。 君が此の手紙を読んでいる頃、大掛かりな事件が起きている筈だ。それを手掛かりに、僕を捜し当ててみなよ。 面白いゲームを見せてあげる』 手紙には、そう書かれていた…。
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