第四章「神隠し」

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「筆跡、永宮くんの証言と一致する口調。あらゆる要素が、大島大悟を指し示しているんです」 智久は深く頷いた。 「…奴に間違いないです。ただ、疑問点も残るんですよね」 「疑問点…?」 難しい顔を浮かべる智久に、戸塚が復唱する。 「ええ…。奴なら、こんな回りくどい手段を選ばない気がして…」 手に持つブラックの缶コーヒーを一口、喉の奥へ流し込んだ。 「奴ではないと?」 「いえ、奴に間違いないです。ただ、他の何か…、誰かが絡んでいる気がしますね」 二人は黙り込んで考え始める。 そこへ甲高い声が割り込んできた。 「二人とも悩んでないで、まずは目の前の問題から片付けていかないと!!」 顔を上げると、リリーが微笑みながら立っている。 「…そうだな」 智久の中で、リリーは大きな支えとなりつつあった。 明るく励ましてくれる、大切な存在へと。
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