第壱章「出逢い」

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「そう、智久ね。実は私、最近貴方の事を頻繁に見かけるの……」 そう言い、グラスに口を付けるリリー。 その姿は艶やかという言葉が良く似合う。 「色々なカジノで大勝ちしてるみたいじゃない」 横目で智久を見ながら、ブラックジャックに参加する。 「……まあな」 淡々と答え、自分もベットする智久。 「マークされてるわよ」 そう囁いたリリーの言葉に、智久の手が一瞬だけ止まった。 「だろうな。荒稼ぎしたんだ、不思議な事じゃない」 「やっぱり、カウントしてるのね……?」 カウントとは、ブラックジャックをプレイする上での必勝法だ。 しかし、カウントには様々なリスクが伴ってくる。
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