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「犬鳴村…。地図に存在しない村として都市伝説になっていますよね?政府の陰謀で抹消されたとか…、様々な憶測がありますが、あくまで憶測の域を出ない物です」
戸塚は煙草へと火を点ける。
まるで煙を体中を巡らすかの様に大きく吸い込み、勢い良く吐き出した。
「犬鳴村は存在しない。…しかし、存在するんです。…この意味が解りますか?」
「幻肢…の様な物ですか……?」
幻肢とは、事故で切断した四肢や生まれながらの病で四肢が無い人達に起こり得る現象だ。
在るはずの無い手や足が存在する様に感じる。
「簡単に言えば、そうですね。恐怖心や好奇心から、無いはずの物を作り上げてしまう…」
「言わば、全ての廃村が犬鳴村なんです」
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