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「…ふぅ。わかりました。連れては行きますが、勝手な行動は謹んで下さいね?」
仕方ないと言わんばかりに同行を認めた。
此処に残しては、佐竹さん達が可哀想ですし…。
と、呟きながら。
「困った人ですね…」
裕也も智久に耳打ちしながら呆れている。
「まあ、仕方ないさ。…元気づけてくれる人間が居るのも、悪い気はしないしな」
困った様に笑う智久は、どことなく悲しげだ。
――――
一同は車に乗り込み、ビルを後にした。
「ところで、廃村って何処にあるの?」
後部座席から身を乗り出し、運転席に座る戸塚へと尋ねるリリー。
それを聞いた戸塚は、深い溜め息を吐く。
「一応リリーさんにも見せた、あの資料に載っていたでしょう?」
「うーん、………忘れちゃったわ」
悪びれる様子も無いリリー。
「まるで鶏だな」
助手席に座る智久が窓の外を眺めながら毒気吐く。
「静岡県ですよ」
リリーの隣で裕也が答えた。
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