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「富士山ね!!」
裕也の答えに、リリーは子供の様にハシャぎ始めた。
「リリー、遊びじゃないんだからな?」
智久が振り返りながら睨みつける。
シュンッとしたリリーは小さく呟いた。
「甘いミカンは…?」
「無しだ」
「渋いお茶は…?」
「それも無しです」
「新鮮な海の幸は…?」
「無しですね」
三人から即答されて、半泣き状態のリリー。
「じゃあ富士山……」
「それは見れるだろ」
途端に目に輝きが戻っていく。
「富士山~♪」
鼻歌まで歌い始めた。
富士山を見られるのが、よっぽど嬉しいようだ。
「まだ子供っぽさが大きいんですかね?」
微笑みながら尋ねる戸塚。
それに智久も笑みを浮かべて頷いた。
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