第五章「軌跡の先に…」

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やがて。百姓の息子へも、その事実が知れ渡った。 家柄を関係なく、両者は互いに想いを馳せる。 しかし、無情にも娘の結婚が決まってしまう。 二人は悲しみ、ある決意を固めた。 "来世では必ず結ばれよう" そう約束し、村の両端にあった小さな池へと身を沈めた。 それからは、二人の涙が溢れたかの様に、小さな池は湖へと変わったのだった。 ―――― 「要約すると、こんな感じですかね」 戸塚が目を開き、一同を振り向き言う。 場は感傷的な気分に包まれた。 「可哀想な話ね…」 「いや、二人は幸せだったんじゃないか…?」 智久が微笑みながら口にした言葉にリリーは驚く。 「……私もそう思いますよ」 戸塚も微笑み、それにつられたリリーと裕也も微笑んだ。
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