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一同は全員で廃村を調べていた。
単独行動によるメリットよりも、デメリットの方が大きく多いから。
一軒目の家屋に入ると、すぐに嫌な臭いが鼻を刺激した。
「カビ臭い……」
リリーが顔をしかめて言う。
それに同意した裕也も、何度か頷く。
「…特に何も無いですねぇ」
少し残念そうに肩を落とす戸塚。
そして、短く続ける。
「まあ、調べるのは初めてじゃないので予想はしていましたけど…」
それもそのはず。
あれだけ多くの失踪者が残した手掛かりだ。
既に捜索を終えているのが普通だった。
「まだ一軒目です。…諦めないで次に行きましょう」
智久の励ましの言葉に、戸塚が頷く。
そして、次の家屋へと向かった。
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