第五章「軌跡の先に…」

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数時間後…。 殆どの家屋を調べ終わった一同は、落胆の色を隠せずにいた。 「あと二軒ですね…」 裕也の呟きに、嫌でも最悪の状況が目に浮かぶ…。 冷たい風が吹き、外へ出た一同を包み込む。 それは春の渇き気味のサッパリとした風では無く、じっとりとした真夏の風のようだ。 「此処は臭わないわね」 リリーが不思議そうに室内を見回す。 確かに最近、頻繁に人が出入りしたかの様に空気が澄んでいた。 「でも、此処は酷く荒れてますね」 裕也の言葉通り、この家屋の荒れ方は他とは違った。 「…変ですね」 戸塚は違和感を覚えている。 この中で唯一、この場所へ来た事がある戸塚。 その戸塚が言うのだから、そういう事なのだろう…。
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