第五章「軌跡の先に…」

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戸塚のケータイは、特殊な造りになっている。 通常のケータイよりも、電波の受信距離、感度。 全てが優れているのだ。 だからこそ、この村に着いた時にも電波は届いていた。 それが今になって圏外を示している。 何かの策略の様な気がしてならない。 「車に無線とかは付いてないんですか?」 裕也が思い出した様に問い掛ける。 それをリリーが制した。 「これは誰かの陰謀よ…。きっと車も何かされてるわ」 それに追い討ちを掛けるかの様に、戸塚が付け加える。 「かもしれませんねぇ…。それに、あの車には無線は装備されてないんですよ」 一同は悩んだ。 いま車まで引き返し、運良く走れる状態だったとしても、次に来た時には地下への階段が無くなっているかもしれない。 しかし、連絡もせずに地下へと進むのも危険だ。 一同は、その狭間で葛藤していた。
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