488人が本棚に入れています
本棚に追加
/204ページ
「…戸塚さん。貴方が決めて下さい。俺はそれに従います」
智久が小さく、けれども力強く口にした。
「僕も、智久さんと同じです」
裕也も智久に同意し、リリーも小さく頷く。
「……………」
戸塚は黙って考え込んでいる。
それ程までに、重要な決断だった。
一つ間違えれば、全員の命を危険に晒す。
ある意味、智久達の発言は戸塚を苦しめていた。
――――
数分後…。
一同は言葉を交わさず、戸塚の答えを待っていた。
やがて、戸塚は煙草を一本取り出し火を点ける。
後を追うかの様に、智久も煙草を取り出した。
戸塚が煙を吸い込み、吐き出しながら言う。
「………中へ入りましょう」
そして、一同は地下へと続く階段を降りていった…。
最初のコメントを投稿しよう!