第六章「悪魔の視線」

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「連絡は、まだか…?」 暗い部屋。 低い声が響く。 「は、はい…。まだ来ておりません…」 低い声に怯えるかの様、上擦った声が答えた。 「奴らに任せたのは失敗かもしれんな…」 「ですが、今回の計画には必要不可欠かと…」 この部屋の空気は、酷く陰湿に感じられる。 目に見える物なら、禍々しく歪んだ黒だろう。 「だから困っているのだよ…」 「……………」 返す言葉が無いのか、部屋に沈黙が訪れた。 「…奴らの誘導が成功していれば良いが」 「あの男には消えてもらわなければいかんからな」 鼻息混じりの笑いを含め、淡々と言い放つ。 「永宮…。奴は危険だ…」 言いながら投げたダーツの矢は、壁に貼られた写真へと刺さった。
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