第六章「悪魔の視線」

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「クソッ!!」 思わず鉄格子を殴る智久。 辺りに鈍い音が響き渡る。 「…やられましたね」 戸塚は鉄格子を探りながら呟いた。 鉄の棒の間隔は15cm程度で、太さもそれなりにある。 「此処から合流するのは無理そうね…」 溜め息混じりに言うリリーに、戸塚も頷く。 「…俺とリリーは左側から進みます。裕也と戸塚さんは、そのまま進んで下さい」 仕方なしに分かれて進むこととなった。 「わかりました…、気を付けて下さい。無理は禁物ですよ?」 「ええ…。裕也の事は頼みます」 互いに頷き、それぞれの道を進み始めた。 この時の別れが、どんな結果をもたらすか気付かずに…。
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