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「クソッ!!」
思わず鉄格子を殴る智久。
辺りに鈍い音が響き渡る。
「…やられましたね」
戸塚は鉄格子を探りながら呟いた。
鉄の棒の間隔は15cm程度で、太さもそれなりにある。
「此処から合流するのは無理そうね…」
溜め息混じりに言うリリーに、戸塚も頷く。
「…俺とリリーは左側から進みます。裕也と戸塚さんは、そのまま進んで下さい」
仕方なしに分かれて進むこととなった。
「わかりました…、気を付けて下さい。無理は禁物ですよ?」
「ええ…。裕也の事は頼みます」
互いに頷き、それぞれの道を進み始めた。
この時の別れが、どんな結果をもたらすか気付かずに…。
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