第六章「悪魔の視線」

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「何かの研究施設みたいだな」 智久は小難しそうな機械を眺めながら言った。 「何の研究かしら…?」 リリーも機械を叩いたり、覗き込んだりしている。 「何か資料があれば見当はつくんだけど…」 二人は先ほど見つけた、小さめのラボの様な場所に居た。 その小さい室内を、手際よく調べている。 「…これは?」 リリーが分厚い本を手に取りながら言う。 「遺伝子についての書籍だ」 リリーがペラペラと捲る後ろで智久が呟いた。 「遺伝子ねぇ…」 まるで興味が無いかのように、素早く本を閉じる。 「これ以上、調べる事も無さそうだし、先に進もう」 リリーが頷き、二人はラボを後にした。
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