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「確かに誰かが俺達を見てた…」
気のせいで済ませられる程、弱々しい視線では無かった。
憎悪や悲壮、嫉妬や殺意。
あらゆる負の感情を混ぜ込んだ視線だった。
「…とにかく先に進みましょ」
リリーが促し、二人は先を急いだ。
――――
【A‐2】
先程と同じように書かれた文字。
構造も大差が無いように感じる。
「…此処も同じなのかしら?」
「みたいだな…」
先程と同じなら、わざわざ調べる必要も無い。
そう思った矢先、リリーが場にそぐわない事を言った。
「お腹減ったわね」
確かに智久も空腹は気になっていたが、あまりの緊張感の無さに呆れてしまう。
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