第六章「悪魔の視線」

13/13
前へ
/204ページ
次へ
「確かに誰かが俺達を見てた…」 気のせいで済ませられる程、弱々しい視線では無かった。 憎悪や悲壮、嫉妬や殺意。 あらゆる負の感情を混ぜ込んだ視線だった。 「…とにかく先に進みましょ」 リリーが促し、二人は先を急いだ。 ―――― 【A‐2】 先程と同じように書かれた文字。 構造も大差が無いように感じる。 「…此処も同じなのかしら?」 「みたいだな…」 先程と同じなら、わざわざ調べる必要も無い。 そう思った矢先、リリーが場にそぐわない事を言った。 「お腹減ったわね」 確かに智久も空腹は気になっていたが、あまりの緊張感の無さに呆れてしまう。
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!

488人が本棚に入れています
本棚に追加