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「さっきの声は、この血と関係あるのかしら」
リリーが壁を滴る血液を、マジマジと観察しながら言う。
「…………だろうな」
何かを考える智久。
やはり、先ほど感じた違和感を拭えないでいた。
「でも、あの声が被害者って訳でも無さそうね」
「ああ…。声のトーンからして、威嚇するような感じだったしな」
つまり、この施設には智久達以外に一人はいる事になる。
声の主が人間でない可能性を含めたとしても。
「此処の研究者が襲われてるのかしら…?」
表情を一層、引き締めるリリー。
「わからない…。それを確かめる為にも、早く調べよう」
智久は先ほどの違和感を飲み込み、今は調査に集中することにした。
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