第七章「矛盾」

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「さっきの声は、この血と関係あるのかしら」 リリーが壁を滴る血液を、マジマジと観察しながら言う。 「…………だろうな」 何かを考える智久。 やはり、先ほど感じた違和感を拭えないでいた。 「でも、あの声が被害者って訳でも無さそうね」 「ああ…。声のトーンからして、威嚇するような感じだったしな」 つまり、この施設には智久達以外に一人はいる事になる。 声の主が人間でない可能性を含めたとしても。 「此処の研究者が襲われてるのかしら…?」 表情を一層、引き締めるリリー。 「わからない…。それを確かめる為にも、早く調べよう」 智久は先ほどの違和感を飲み込み、今は調査に集中することにした。
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