第七章「矛盾」

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「いよいよヤバくなってきたな…」 そう呟く智久の視界に広がるのは赤く惨い光景。 【A‐3】へ来た二人は鼻につく異臭に気付く。 そして最も酷い臭いがする部屋へ来たのだった。 「吐きそう………」 二人が見つめているのは無数の死体。 小さな部屋を満たす様に"散乱"していた。 五体満足の死体は一つも無い。 手が無い者、足が無い者、はたまた両手両足が無い者。 酷い者だと、頭すら無い者すらいる。 「人間の仕業じゃないな…。何か…、動物の噛み傷に似てる」 平気で室内へ入り、順々に死体を調べる智久。 リリーには信じられない事だった。
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