第七章「矛盾」

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「何で身動きの取れなくなる備品室へ逃げ込んだのかしら…」 リリーが口を押さえて、その行動に首を傾げる。 「………?」 智久は何かに気付き、急いで部屋の外へ駆け出した。 その時、死体を踏んでしまったのか、肉の潰れる音が響く。 「ど、どうしたの…?それより、ネチャッっていったわよ!?」 鳥肌を立てながら問い掛けるリリー。 余程あの音が嫌だったのだろう。 「……………」 また、あの違和感を抱く。 しかし、パズルのピースが揃っていくような感覚でもあった。 まだ………。 まだ決めつけるのには早い。 いや、まだ決めつけたくない。 そんな思いを抱き、智久は口を閉ざした。
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