第八章「人のカタチ、人の選択」

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「ハァッハァッ…裕也くん、大丈夫ですか?」 苦しそうに問い掛ける戸塚。 それに対し、裕也は悲しげに答える。 「大丈夫かって、戸塚さんこそ……」 裕也の視線は、戸塚の左腕を捉えていた。 そこからは赤黒く生々しい血が流れ落ちている。 「私は大丈夫ですよ…、掠り傷ですし。…まあ、ちと痛みますがね」 強がってはいるものの、明らかに出血が多い。 放っておけば倒れてしまうだろう。 「取り敢えず止血しましょう…。"奴"も直ぐには追いつかない筈です」 自分の服を千切り、戸塚の腕へと巻きつけた。 これで応急処置は大丈夫だが、早めに傷口を縫う必要があった。
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