第八章「人のカタチ、人の選択」

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「この部屋に救急箱でもあれば良いんですけど…」 暫く救急箱を探す裕也だったが、見つからないようだ。 「裕也くん…、そこにあるのは裁縫箱じゃないですか?」 戸塚の指差す方を見ると、確かに裁縫箱の様な物が置いてある。 「本当だ、なんでこんな所に…。っていうか、もしかして…」 恐る恐る戸塚を振り返ると、苦笑いで頷いた。 「糸と針があればこっちのもんです…」 「糸と針って言っても裁縫用ですよ…?」 あんな太い針と糸で縫おうとする考えが、信じられないといった顔を浮かべる裕也。 軽く引きながらも、渋々それを渡した。
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