第弐章「動き出す運命」

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「ちょっとな……」 その表情は、これ以上リリーの詮索を許さなかった。 そんな時、智久は不意に肩を叩かれる。 「永宮智久くん……ですね?」 突然現れた三人組の男に、リリーは思わず身構えた。 「カジノの用心棒!?」 「ハハハッ。私達はそんなチンケな者じゃありませんよ。……それよりお嬢さん、私達は永宮くんに用があるんです」 年配の日本人が首で指示すると、後ろの二人がリリーの腕を掴んだ。 「ちょっ、離して!!」 振り解こうともがくが、想像以上の力で掴まれている為、ビクともしない。 「おい……、そいつは俺のツレだ。話があるなら、その手を離せ」 智久の言葉に、年配の男は納得する。 男が指示すると、リリーは解放された。
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