488人が本棚に入れています
本棚に追加
不意に気配が消えた。
それに気付き、ゆっくりと目を開ける。
そこに怪物の姿は無く、静寂だけが取り残されていた。
「………戸塚さん」
「どうやら命拾いしたようですねぇ…」
裕也に続き、戸塚も目を開く。
緊張から解放された為か、二人の額にはジットリと脂汗が滲んでいる。
「永宮くん達には悪いですが、ゆっくりと行きましょうか…」
足音でバレるのは厄介な上、流しすぎた血のせいで貧血気味になっていた戸塚。
二人はゆっくりと歩いて向かう事を選んだ。
最初のコメントを投稿しよう!