第八章「人のカタチ、人の選択」

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「貴方が無実なのは知ってる…」 手当てを受ける綾香が唐突に言った。 その言葉に、智久の手が止まる。 「全部…。あの男が仕組んだ事だから…」 「あの男って?」 リリーの問い掛けに、少し間を空けて答えた。 「私の義理の父…、榊原宗佐よ…」 二人は、その答えにも驚いたが、総理が義理の父親という事実にも驚愕した。 「驚くのも無理ないわ。一般には知られていない事だから」 淡々と語る綾香は、どこか上の空といった感じだ。 「総理が仕組んだっていうのは…?」 智久が尋ねる。 珍しく動揺を隠せないでいた。 しかし、綾香が口を開いた瞬間。 大きな叫び声が聞こえた…。
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