第八章「人のカタチ、人の選択」

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「アイツよ!!」 すぐに身構える綾香。 その様子を見た二人にも、極度の緊張が走った。 「アイツ…?」 リリーが横目で綾香を見つめる。 答える変わりに、何処からか二丁の銃を取り出した。 「…使い方は解る?」 問い掛けられた二人は黙って頷く。 智久はリリーが銃を扱える事に驚いたが、それよりも扉の先にいる"モノ"に意識を奪われた。 数秒の沈黙が流れ、扉が開く。 「た、助けて…くれ…」 現れたのは白衣を着た男性。 智久が駆け寄ろうと足を踏み出した時、ソレは起こった。 「……ぐっ!!」 奇妙な物体が男性の腹を突き破り、智久の眼前で止まる。 男性は、もう息をしていなかった。
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