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30分後、一同は智久の自宅へと赴いていた。
「さて、話ってのは何だ……?」
着替えも早々に、話の本題を尋ねる智久。
「私達は客人ですよ?お茶くらい出せないのですか?」
「招いた覚えは無いんだがな」
皮肉を皮肉で返す。
室内は険悪なムードで満たされていた。
「……ふぅ。冗談はさて置き、本題に入りましょうか」
やれやれと言った表情で話し始める年配の男。
「まず、私の名前は戸塚です。警視庁の公安部に所属しています」
日本語で話す戸塚の言葉に、首を傾げるリリー。
「日本政府の犬さ」
笑いながら英語で教える智久。
リリーは腹を抱えて笑い転げる。
「永宮くん……。私も英語は解りますよ?」
「おっと。これは失敬」
悪びれる様子もない智久。
戸塚は表情を曇らせながら続けた。
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