488人が本棚に入れています
本棚に追加
「…何はともあれ、皆さんに怪我が無くて良かったです」
裕也が安堵の笑みを交えながら言うが、智久は何も答えなかった。
「どうかしましたか…?」
戸塚も気になり、心配する様に言う。
「いえ、何でも…。それより、榊原さん…」
「上の名前で呼ばれたくない…。綾香で良いわよ」
「綾香…。さっき言ってた仕組んだっていうのは、どういう事なんだ…?」
次々と重なる問題や疑問に、智久は頭を悩ませているのだろう。
その声には覇気が感じられない。
「それじゃあ、話すわね…」
綾香は一呼吸置いて、話し始めた。
最初のコメントを投稿しよう!