第九章「消失」

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「それは穏やかじゃないですねぇ…」 随分と落ち着き払った声で言う戸塚。 「焦らないの…?」 綾香の問い掛けに、苦笑いを浮かべて答える。 「焦ってますよ。まだ死にたくないですし…」 「そうは見えないけど……」 やや呆れ気味に呟く綾香。 それに対し、戸塚が顔を引き締めて尋ねる。 「それで…。どうして死んでしまうんですか…?」 一度、全員を見渡してから口を開いた。 「怪物の体液には、様々な疫病が含まれてるの。その中でも酷いのは…、黒死病よ」
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