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「私は誰にも邪魔されない、
私の永遠が欲しいんだ」
彼女が何を思ってそう言うのか、俺にはわからない。
彼女が言う【永遠】がなんなのかも、理解出来ない。
でも
彼女がどれだけ永遠を望んでいるのか、
わかるような気がした。
俺も……
永遠てヤツに少し憧れているのかもしれない。
もちろん、永遠なんてあり得ない
永遠なんてあっても気が狂うだけかもしれない。
でも
俺は
変わってゆく世界や人々が
たまらなく怖い。
それを受け入れている自分も。
かつて、俺は、
いや、俺たちは
いつでも『十二人』だった。
あの日々が
もう帰って来ないと思うと
無性に怖くなる。
こんなことを考える俺は
きっと病んでる。
それでも
俺は願ったことが無い訳じゃない。
あの
十二人で過ごした日々が
永遠であって欲しい
……と。
気がつくと
彼女は優しく微笑んでいた。
どこまでも深い瞳で
俺を……捉えていた。
「【永遠】は……あるよ。
私たちが望めば
きっと望む永遠を
近いうちに手に入れることが出来るよ」
そんなことはあり得ない。
そう言いたかったが……
彼女が言うなら
あり得る気がした。
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