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……どーするかな。
とりあえず昼飯まで凌ぎたい。
校内は駄目だ。
国語の石垣先生に見つかったら人知れず抹消される。
しかし、このまま屋上にいたら間違いなく干からびる。
つーか、死ぬ。
「よっと」
とりあえず屋上の床は暑いので立ち上がりフェンスに近寄ってみる。
そこから見える景色は
……まぁ、普通の町並み。
特徴は……ここから数キロ先の中心街に立つ大時計塔ぐらいか。
「なんか……小学生の時は、もっと広かった気がする」
俺はフェンスの先に広がる町並みを見て呟く。
今はひどく狭い印象を受ける。
もちろん、実際は狭くなってない。
ただ……小学生の時の町並みに比べ、ビルなど高い建築物が増えたからそう思うのだろう。
なんとなく……小学生の時、遊んでいた友人のことを思いだす。
「みんな……どうしてんだろ?」
白井先輩とか引っ越した狂本とか。
元気で……やってるといいな。
けど、もう会う機会は無いんだろうな。
同窓会やろうにも学年違うしな。
それに白井先輩や狂本の性格からして同窓会とか面倒くさがって来ないな……。
「ふぅ……」
かつての友人たちと会えないと思うと、知れずにため息が出た。
妙な寂しさを覚えたからかもしれない。
つぅー、と額から暑さで汗が流れ落ちた。
……移動しよ。
これ以上ここにいたら熱射病で倒れるかもわからん。
フェンスに背を向けてクルリ、と踵を返すと
目の前に人の顔があった。
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