相沢あかね(2)

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……指輪。 昨晩の出来事が現実だったのか確かめるように、 わたしは両手の指を見て、はめられているであろう指輪を探した。 「やっぱり夢か……。」 指輪の影も形も見当たらない両手を下ろして、わたしはため息をついた。 再び布団の中に入ろうとしたわたしだったが、 そこで床に脱ぎっぱなしになっているスーツを見て、おもむろに持ち上げたスーツのポケットに手を入れた。
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