プロローグ

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『いっくん、紗奈のこと、お願いね』 『すぐ戻るから、頼むな』 2人はそれっきり、俺の家に来ることも、自分たちの家に帰ることも、一人娘を抱くこともなかった。 …あの日、俺の中の98%は一緒に死んでしまったんだ。 残りの2%も燃え滓みたいなもんで、生きる意味とか希望とかそんなものは残ってなかったし、 新たに探そうという気もなかった。
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