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「あら弘君、同じチームにならないかしら?」
真優が腕組みをし、偉そうに話しかけてきた。
真優さんも友達がまだできていない様だ。
「仕方ないなぁ、全く」
軽く溜め息混じりで吐いたその言葉を聞いた真優は、一瞬怖い目付きで俺を見てきた。
そんな俺達に、突如透き通った声が後ろからかかる。
「ねぇねぇ」
後ろを向くと、低身長でパッチリとした目が印象的なその子が俺達に話しかけたようだ。
赤い髪を右に流したショートカットの貧乳な子は、抱き締めたくなるような小動物系の可愛らしい女の子だった。
「どうした?」
内心では見とれてしまっていて、空返事の様になってしまった。
「同じチームになってくれませんか?」
普通の男どもなら簡単に惹き付けそうなその笑顔を俺に向け、そう言う。
「お、俺はいいけど……」
チラッと真優の方を見ると、顔がひきつっている。怖い。
「い、いいわよ」
ニコッと笑うが、作り笑いにしか見えない。
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