第2話『青春? なにそれ美味しいの?』

4/21
前へ
/132ページ
次へ
      「俺は加藤弘だ、よろしく」 握手をしたかった俺は、手を前に出す。 「あたしは唯川日菜(ゆいかわひな)だよ!」 日菜さんは握手をしてくれた。 細く白いその手は、今にも折れてしまいそうだった。 「下山真優。 よろしく」 真優も握手を求め、よろしくと日菜さんは手を握り返す。 お互い笑っていればいいが……と思い、日菜さんを見たらかわいらしい笑顔をうかべている。 次が問題なんだよなぁ……うん、やっぱり。 目が笑ってないよ真優さん。 さて、俺達はあと女子1人に男子2人集めなくてはいけない。 んーどうしたものか。 ここで日菜さんが何かに気付く。 「弘君、あそこのチームでよくない?」 俺の腕をチョンチョンとつつき、窓側の方を指し示す。 そこには、男子2人と女子1人で集まっていて何かを話し合っている。 「確かに丁度良い具合になるな」 日菜さんを見ると、行ってきてと目が語っていた。
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

254人が本棚に入れています
本棚に追加