254人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺は加藤弘だ、よろしく」
握手をしたかった俺は、手を前に出す。
「あたしは唯川日菜(ゆいかわひな)だよ!」
日菜さんは握手をしてくれた。
細く白いその手は、今にも折れてしまいそうだった。
「下山真優。 よろしく」
真優も握手を求め、よろしくと日菜さんは手を握り返す。
お互い笑っていればいいが……と思い、日菜さんを見たらかわいらしい笑顔をうかべている。
次が問題なんだよなぁ……うん、やっぱり。
目が笑ってないよ真優さん。
さて、俺達はあと女子1人に男子2人集めなくてはいけない。
んーどうしたものか。
ここで日菜さんが何かに気付く。
「弘君、あそこのチームでよくない?」
俺の腕をチョンチョンとつつき、窓側の方を指し示す。
そこには、男子2人と女子1人で集まっていて何かを話し合っている。
「確かに丁度良い具合になるな」
日菜さんを見ると、行ってきてと目が語っていた。
最初のコメントを投稿しよう!