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「はぁー」
と、歩きながら長い溜め息をつく美少女こと下山真優と俺は凛々さん達と別れ一緒に帰宅している。
凛々さん達は何故か先に帰ってて、と言って何処かに行ってしまった。
もう普通に授業が始まり、学校を出るのが3時半くらいになる。
お日様が沈むのは早く、まだ日本を無駄に照らしている。
朝より人通りが多くなったこの通学路こと見慣れた桜並木の道。
ちょっと肌寒いが桜はそんなことを気にせず綺麗に咲き誇っていた。
「どうした?」
どうしたどうしたって何回も言ってる気がする。
ゆっくりと歩調を合わせ歩く俺は隣を歩く真優に尋ねた。
「いや、ちょっとね……」
そう言うと自分の世界に入り込んでしまった。
こいつは昔から何かを考え込むと周りの声が聞こえなくなってしまう。
といっても、自分の世界に入り込むことはあまりないのだが。
結局何を考えていたのかわからず、そのまま家に着いてしまった。
幼なじみだからと言って全てがわかるわけではない。
そんな事を考えながら家の鍵を開け、マイホームへと入った。
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