1人が本棚に入れています
本棚に追加
「花占い?」
城の廊下を歩いているとき、部下の中で一番信用している青年・チアキが話した。
「そう。一輪の花の花びらを、好き、嫌い…と言いながら一枚ずつ取るんだ。」
「ふぅ~ん。」
高嶺の花と言われ、総帥・ハルカの秘書であるマユは興味が無さそうに答えた。
「それで、花びらを取って一体何が分かるのよ?」
マユは訳が分からない、という顔をしてチアキに言った。
「話を最後まで聞けって。」
チアキはあまり敬語を使わない。しかし、マユは既に慣れているので、別にそんなことはどうでも良かった。
「その最後の一枚の花びらを取ったときの結果が、その人の気持ちなんだよ。」
ようするに、相手の気持ちが分かるってことらしい。
「ま、休憩の時にやってみなよ。じゃ、おれはこれで!」
チアキは訓練所に向かって走っていった。
チアキと別れた後、マユは執務室に入った。
「(相手の気持ちが分かる占いか…。なんか嘘っぽいけど、やってみようかな?)」
マユは休憩の時間にやろう、と決めた。
「(総帥…。あたしはあなたのことが好きです…。でも、あなたは、あたしのことどう思っていますか…?)」
休憩時間になり、マユは花を摘みに外に出た。
最初のコメントを投稿しよう!