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マユの自室を出た後、ハルカはチアキを捜していた。
「いない…。あいつどこにいるんだ…。」
すると、訓練所からチアキが出てくるのが見えた。
「訓練所にいたのか。」
チアキの姿を見たとたん、ハルカは早足で近づいた。
「おい。」
ハルカに呼ばれ、チアキは振り向いた。
「あ、総帥!どうしまし…いっ!」
ハルカはいきなりチアキの鼻を思い切りつまんだ。
「マユが泣いていた。」
「へ?」
チアキはあまり理解していなかった。
泣いてるって…。
「お前、変なこといったのか?」
「へ?何言って「質問に答えろ。」…いだだだ!」
ハルカはチアキの鼻を力強くつまんだ。
「マユに変なこと言ったのか?花占いがどうとか言ってたが…。」
「花占い?ああっ!」
チアキは何かを思い出した顔をした。
「何か知っているのか?」
チアキは鼻をつまれながら話した。
「えっと…、マユ…ごめんなさい、高嶺に花占いを教えたんです…。最後の花びらをとったときの結果が、相手の気持ちだ、って言ったんです。もしかしたら、高嶺はいつも同じ嫌いという結果になり、それがもとで泣いてるんだと思います。」
「そうか。」
ハルカはチアキの鼻をつまんでいた手を離した。
「あの、総帥…いだだだ!」
今度はチアキの左頬を抓り出した。
「要領は分かった。今度マユを泣かすようなことをしたら……殺すぞ。いいな。」
「ひゃ、ひゃい!」
ハルカはそう言って頬を抓っていた手を離し、その場を去った。
「びっくりした…。何か総帥が怖かった…。」
チアキはハルカの背中を見て呟いた。
「それにしても…。頬と鼻が痛い…。」
チアキは先程ハルカに抓られた頬や鼻をさすりながら自室へ戻っていった。
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