プロローグ

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澄み切った青空。 見渡す限りの荒野。 そして、無人。 ………… ???「なんじゃこりゃーーーーー!」 叫んだ。 …………… 返事は、ないな。 まぁ無人だしね。 ???「――っと、落ち着こう」 えっと、俺は……。 ???「俺は北郷一刀……高校二年生で、剣道部……」 その後しばらく記憶を漁ってみたが、欠落しているのは………。 一刀「授業が終わって、武道場に向かって………」 一刀「……だめだ。思い出せない」 どうやら、そこから今までの記憶が抜けているらしい。 一刀「――そうだ! 携帯!」 あわててポケットから携帯を取り出してみるものの…… 一刀「圏外、か」 よく考えると、こんな荒野で繋がる方が驚きだ。 一刀「……っていうか、ここどこ?」 学校の近所……なわけないし、そもそも日本にこんな場所あったっけ? となると――― 一刀「海外、か……?」 だけど、俺はさっきまで確かに学校にいたんだ。 もう一度記憶を辿る。 …………。 なんとなくだけど、記憶が途切れる直前に誰かに会った気がする。 確か、アニメとかにあるような服を着てて………。 一刀「………まさか……拉致、されたのか……?」 コスプレイヤーに。 ……そういえば、朝の占いで、『今日はコスプレをした人に注意しましょう。』って言ってた気が………… ……はい、嘘です。 一刀「……何考えてるんだ、俺………」 頬を叩いて、暴走し出した頭を引き戻す。 一刀「とりあえず、歩いてみるか」 何とはなしにそう決めて、立ち上がろうとして……。 ???「おう兄ちゃん。 珍しい格好してんじゃねえか」
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