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「私が・・・一番でいいんですか?」
「何いってんだ。あんたをモデルにした作品なんだから一番に読む権利はあんたにしか無いだろ。全部が全部本当の話じゃない。フィクションだって入れる」
「私は別にいいですよ。頑張って下さい。ふふっ・・・完成楽しみにしてますね?」
夕暮れの桜の中の春の約束。
雑然とした夜に輝く星が見下ろす。
町に光が点り始めるまで、二人は話をしていた。
・・・幾つか季節を重ねてやがてまた春が訪れ、二年が経った。
「そういえば来年する映画の原作この本みたいだねー」
「本当?私この本すっごく好きだから嬉しい~!!絶対観に行くわ~!」
本屋で女子高生がキャッキャとポップがついたコーナーで、嬉しそうに声をあげている。
「しかも作家の先生まだ若くて超イケメンなんだよー!!映画化するからってTVで特集やってた!!」
女子高生達の手元には著者のところに、『櫻嘩』とチラリと名前が確認できた。
「脚本も演出もだいぶ定まってきたよ。それにしても反響凄いなぁ~!デビュー作からいきなり映画化とか先生の担当として鼻が高いよ」
中年くらいだが、まだまだ若々しい印象を受ける男性は目の前のハッとするような鮮やかな金髪をした美青年に嬉しそうに話す。
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