ウァレンティヌスが死んだ日だっけ?

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「ん……しょっと」 いつもの朝、学ランに袖を通すと気が引き締まる。 もうすぐその日はやって来る。 一部に幸福、大部分に不幸を告げるイベント――そう、バレンタインデー。 チョコを渡すもぶった切られる女子、渡せず終いを悔やむ女子、一つももらえず泣く男子、哀れみのド義理を受け取る男子もいれば、渡せて告白成功しちゃう女子や、意中の子にもらえてしまう男子もいたりする。 幸不幸の比は多分3:10くらい。 いや、完全にオレの根拠なき予想ですがね? 「さて、行きますか」 飯なら着替え前に済ませたし、ゆっくり身支度なんてする柄でもない。 語っちゃみたけど、不幸側を享受するのが目に見えてるイベントはスルーに、いつもの日常を送るだけだ。 窓の外じゃ、中学からの友人が手を振ってやがるしな。
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