警部補―流

事件

早見は電話で指定した通り、公衆便所の近くまで歩いて行き立ち止まった。

《大切な話があるので直接会いたい》

それだけの用件でちゃんと来てくれるか不安だったが、ほっと胸をなでおろす。
第一段階は成功･･････。

しかし安心したのもつかの間、鼓動が今までにないくらい激しくなった。

一瞬心が折れそうになるが、計画の断念という選択肢は頭にない。

意を決して早見に歩み寄って行く。