~憑き物~

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~憑き物~

黴臭く 薄暗い 煉瓦作りの冷たい部屋 武骨な体格に 甘めの顔立ちの男が差し出した珈琲を飲む 中年男 『で… あんた 俺に何を期待して 此処まで来た 俺は化け物退治のプロじゃないんだぜ さっきの話だと 警視庁の妖撃部隊 アンノウンスワット にでも頼んだ方が良いじゃねぇか 』 武骨な男が 中年男に向けて あからさまに面倒臭そうに言った 『私も そう思って 警察には行ったんですが…』 『なんだい 何か問題でもあったかよ』 この中年男 既に[AASC]には掛け合ったのだが 其処の女性幹部に 此の場所を勧められたと 言うのだ 『尾上紫と 言う方に 紹介されまして………』 武骨な男の顔が一瞬鬼の様に見えた 『あの… 私 何か不味い事でも言いましたでしょうか』 『いや 良いんだ 紫は… 尾上紫は 前のカミサンでね…………』 右手で頭の後ろをバリバリと掻きながら ポツリとため息混じりに呟く 『…コイツは 断れない依頼ってわけだな…』 『あの 鑪さん…それでは 引き受けて頂けるのでしょうか』 『あぁ… 仕方ねぇ 拝み屋の俺が 出る幕じゃねぇが 後が恐いからなぁ…… やってやるよ…』
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