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やんちゃな目が注意深くあたりを見渡す
目に映るのはいまだに降り続けている雨に濡れた若葉
同じく濡れている苔むした岩
まだ咲いていない紫陽花の葉の上を這う蝸牛
屋根から落ちてきたであろう雨の雫
僅かに視線を上げれば山岳の峰に霞む霧が見えた
なおも目は注意深くあたりを見渡す
蝸牛が違う葉っぱにようやく移ったころ
目は閉じられた
逆に耳を澄ます
やはり雨の音しかしない
と、思ったらドタバタとせかしい足音が頭上から聞こえてきた
「陽夜様!」
スパンと更に音がする
恐らく障子を開けられたのだろう
小さな白い手がピクリと反応する
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