朝露の章

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微かに聞こえていた息がますます微かになっていく 少女の眉がぎゅっと寄せられ表情が一気に険しくなった その表情は若干苛立たし気にも見えた 「陽夜様………。」 ぼそりとそんな呟きが聞こえトボトボと歩く雰囲気が伝わってきた 少女にも勿論そのことはわかっているはずだが警戒しているのか 目は閉じられたままだ。 更に時間がたち、ようやく瞼が開いた。 急がされるようにモゾモゾと動き―――かと思えば警戒したままそろっと這い出した。 そう、家の縁の下から
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