11才

4/8
前へ
/222ページ
次へ
焦りと不安で駅に着いた。 兄が歩いていく方向に母が泣き崩れていた。 「ママ!」 私は母の存在を確かめるように抱き締めた。 「まぁ、たつ本当にごめんね…本当は一人で家を出るつもりだった…だけどやっぱりあんた達を置いてく事なんてできない。ついてきてくれる?」 泣きながらすがる私に選択なんてない。 「ママが行くなら私どこでも行くよ」 「お母さん、僕達を置いてかないで」 「…ごめんね…そんな事思ったりして…」 そうして私達家族は地元を離れた。
/222ページ

最初のコメントを投稿しよう!

195人が本棚に入れています
本棚に追加