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小学校四年生になっても、アイツと母の喧嘩はことあるごとに続いた。
その頃は私と兄にも手を挙げるようになった。
私の兄は体も小さく喘息持ちでよく病院に通っていた。怒鳴られる事に怯え、今思えば何も言えない内気な性格だった。
反抗できないのをいい事にむしゃくしゃする度に兄を殴っていたアイツ。
怯えながら殴られる兄。
兄を必死で守る母。
泣き叫びながら私はアイツにオモチャを投げつけた。たかがオモチャと思うかもしれない。
でも10才の私にとっては必死だった。
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