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僕は孤独を叫んだ
「もう独りは嫌だ……」
そんな事を叫び続けた
ずっと独りで生きてきて
いつも孤独という檻に閉じ込められてきた
誰も僕に檻の鍵を差し延べてなどくれなかった
誰かに助けてほしくて
僕は、独という檻から逃げ出したくて
声が潰れそうになる程、ずっと叫んだ
ふと、誰かの声が聴こえた
とても気持ちよくて、暖かい声だった
まるで歌うような綺麗な声
「大丈夫……あなたは一人なんかじゃない。独りにさせないよ」
気が付けば僕の手の中には、檻の鍵……
孤独の檻から僕を出してくれたのは
あなたの優しい"ファルセット"だった
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