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「そうよ?アタイがここに来たときすっごく暑かったんだから!だから涼しいとこはないかなーって探したら、これがあったの!それからこのなかに入れば暑くないって考えたの!どう?アタイったら天才でしょ?」
漫画のように『えっへん!』という文字が出てこんばかりに少女は胸を張った。
(…こ、こいつ…最強の馬鹿だ…)
「あのな…、これは冷蔵庫!食物を冷やしておく場所。それくらいガキでもしってんだろ?」
飽きれた顔で俺は少女に聞いてみた。
「れいぞおこ?」
少女は首を傾げた。
「あー…うん…なんでもない…」
俺がガックリと首を落とすと少女はすぐに答えた。
「あ…ああ!れいぞおこ!れいぞおこよね!知ってるわよ!アタイは天才だからそれくらいお見通しなんだから!」
「はいはい、わかったよ。もういいからお家帰んなさい」
「あの…あの…アレよ!食べ物を冷やしておく物よね!」
「それさっき俺がいっただろ」
「うっ……」
これ以上この最強少女を部屋に置いておくと大家さんが来たときに勘違いされかねんので追い出すことにした。
「はーい、出口はこちらですよ、お嬢さん」
少女の襟を掴んで玄関へと運んでいった。
「ちょっとぉ!子供扱いしないでよぉ!アタイは最強なんだからあー!」
「わかったわかった。君は最強だ、はっはっは」
少女を玄関に持って行き、キッチンに戻った。そのとき
タタタタタタタッ
ガシッ
「ん?」
さっきの少女が玄関から走ってきて俺の足にしがみついた。
そして泣きそうな顔でこう言った。
「アタイ、ここに住む。」
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